遺留分侵害額請求をされたらどうする?確認すべきポイントや再計算のコツ

「遺産を単独で相続したものの、遺留分の請求の通知が届き、対応方法が分からない」と不安を感じていませんか?

遺留分の侵害額請求をされたら、無視せず速やかに内容を確認し、期限内に対応することが必須です。正当な請求であれば現金での支払いが原則ですが、金額が正しいかの確認や、分割払いの交渉、時効の確認などをおこなう必要があります。

そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。

  • 遺留分の侵害請求をされたら確認すべき3つのポイント
  • 遺留分侵害額の支払う金額を抑えるための再計算のコツ
  • 支払い資金が足りない・一括で払えない場合の対処法
  • 内容証明から調停・訴訟までの解決の流れ

基本的な確認ポイントから順に解説していくので、一つずつ整理しながら読み進めていきましょう。遺留分侵害額請求をされて何をすれば良いかわからずお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

このページの目次

1.遺留分侵害額請求とは

遺留分侵害額請求とは、相続人が法律上最低限保障された遺産(遺留分)を受け取れなかった場合に、贈与や遺贈を受けた人に対し、その不足分を金銭で支払うよう請求できる制度です。2019年7月の民法改正により、原則として金銭での支払い請求に一本化されました。

まずは、遺留分侵害額請求の基本について、以下の3点に分けて解説していきます。

  • 最低限保障される遺産の取り分とは何か
  • 遺留分を請求できる相続人の範囲
  • 2019年法改正の重要ポイント

詳しくみていきましょう。

1-1.最低限保障される遺産の取り分とは何か

遺留分は、被相続人が作成した遺言書でも奪うことができない、法定相続人に保障された最低限の遺産取得割合です。残された親族の生活保障や相続人の公平性を守るために法律で定められています。

法定相続人の構成と相続人ごとの遺留分割合を、以下の表にまとめました。

法定相続人の構成相続人ごとの遺留分割合
配偶者のみ配偶者:1/2
子どものみ子ども全員の合計:1/2(人数で等分)
※子どもが2人なら1人あたり1/4、3人なら1人あたり1/6
配偶者 と 子ども配偶者:1/4、子ども全員の合計:1/4(人数で等分)
配偶者 と 直系尊属(親)配偶者:1/3、親全員の合計:1/6(人数で等分)
※配偶者の法定相続分が2/3、直系尊属の法定相続分が1/3のため
直系尊属(親)のみ親全員の合計:1/3(人数で等分)
配偶者 と 兄弟姉妹配偶者:1/2、兄弟姉妹:なし
兄弟姉妹のみ兄弟姉妹:なし

一人の相続人が単独で相続する場合を除き、基本的には法定相続分の2分の1が、遺留分割合として計算されます。

関連記事:遺留分は必ずもらえる?必ずもらえるとは限らない3つのケースも解説

1-2.遺留分を請求できる相続人の範囲

遺留分を請求できるのは、配偶者、子(代襲相続人を含む)、および直系尊属(父母や祖父母)に限られます。被相続人と関係が深い近親者の生活を重点的に保護する必要があるためです。

兄弟姉妹やその子ども(甥・姪)には遺留分が認められていない点に注意してください。まずは、請求者が法的に遺留分を主張できる立場にあるかを正確に判断しましょう。

1-3.2019年法改正の重要ポイント

遺留分侵害額請求に関して、2019年に法改正がおこなわれました。法改正の重要なポイントは、以下の2つです。

  • 遺留分請求が「金銭請求」に変更された点
  • 不動産の共有状態を回避できるようになった影響

ひとつずつ見ていきましょう。

1-3-1.遺留分請求が「金銭請求」に変更された点

法改正により、遺留分の侵害があった場合は不動産などの持ち分を返すのではなく、相当額を支払う「遺留分侵害額請求」へと仕組みが変わりました。以前の制度で多発していた「不動産の共有状態によるトラブル」を防ぎ、金銭解決を原則とするためです。

たとえば、自宅を相続した長男が次男から請求を受けた際、家の一部を渡すのではなく、価値に見合う現金を支払えば解決できます。財産の細分化を避け、より柔軟な解決が可能になりました。

1-3-2.不動産の共有状態を回避できるようになった影響

金銭解決がルール化されたことで、相続不動産が複数の相続人による「共有状態」になるリスクを回避できます。不動産が共有になると、将来的な売却やリフォームに全員の同意が必要となり、管理が停滞しやすいためです。

改正後は、事業用資産や自宅を取得した人が単独で資産を維持しながら、対価として現金を支払う形式が定着しました。不動産の一体性を保てることは、円滑な事業承継や生活基盤の維持に大きく役立っています。

2.遺留分の侵害請求をされたら確認すべき3つのポイント

遺留分の侵害請求をされたら確認すべきポイントは、以下の3つです。

  • 請求者が本当に「遺留分権利者」に該当するか確認する
  • 1年の消滅時効や10年の除斥期間が経過していないか確認する
  • 請求額の根拠となる相続財産の範囲や評価額が正しいか精査する

不要な支払いを防ぎつつ適切に対応できる可能性が高まるため、順番に確認していきましょう。

2-1.請求者が本当に「遺留分権利者」に該当するか確認する

遺留分を請求できる人は法律で決められているため、請求者が正当な権利者であるかを真っ先に確かめてください。請求者が本当に「遺留分権利者」に該当するか確認する方法は、以下のとおりです。

  • 兄弟姉妹からの請求ではないか確認する
  • 相続欠格・廃除や遺留分の放棄に該当しないか調べる

それぞれ解説します。

2-1-1.兄弟姉妹からの請求ではないか確認する

亡くなった人の兄弟姉妹やその子どもにあたる代襲相続人には、遺留分が一切認められていません。

法律上、兄弟姉妹は法定相続人にはなれます。ですが、たとえば「配偶者にすべての遺産を相続する」「配偶者と子どもにすべての遺産を相続する」といった内容が遺言書に記載されていた場合、兄弟姉妹にはその内容に文句を言って遺留分を請求する権利はないのです。

もし被相続人の兄弟姉妹から支払いを求められたとしても、法的には拒否できるケースがほとんどです。彼らには遺留分がないのが大原則であることを、しっかりと伝えて話し合いを進めましょう。

2-1-2.相続欠格・廃除や遺留分の放棄に該当しないか調べる

請求者が相続欠格や廃除の対象となっていないか、あるいは生前に遺留分を放棄していないかを精査してください。

犯罪行為や虐待などが原因で相続権を失っている相続欠格や廃除の場合、当然ながら遺留分を請求する権利も消滅します。また、被相続人の生前に、遺留分請求者が遺留分放棄の手続きを済ませている可能性も否定できません。

これらの事情があるにもかかわらず請求がおこなわれているなら、その請求は無効です。過去の経緯や裁判所の記録を入念に調べるのが、不利益を避けるために非常に重要なポイントとなります。

2-2.1年の消滅時効や10年の除斥期間が経過していないか確認する

遺留分侵害額請求権には厳格な期限があり、期間経過により権利が消滅し得るため、日付の確認が欠かせません。具体的には、「相続の開始」と「侵害(贈与・遺贈)を知ったとき」から1年、または「相続開始から10年」で権利が消滅します。

権利行使は調停申立てだけでは足りず、期限内に相手方へ意思表示(内容証明郵便等)がされているかが重要です。意思表示の時期(発送日・到達日)を資料で確認し、1年・10年の期間経過の有無をカレンダーで照合しましょう。期限内の意思表示がない場合、時効を援用して支払いを免れられる可能性があります。

2-3.請求額の根拠となる相続財産の範囲や評価額が正しいか精査する

相手から提示された請求額が、正しく評価された財産に基づいているかを厳しく精査してください。請求者は少しでも多く受け取るために、財産を過大評価したり、本来含めるべきでない資産を算入したりすることがあるためです。

たとえば、自分が生前に受けた正当なプレゼントまで「特別受益」としてカウントされていないかチェックが必要です。計算の土台となる財産目録の正確性を問うことが、過剰な支払いを防ぐ方法となります。

3.遺留分の支払額を最小限にする再計算のコツ

遺留分の支払額を抑えるには、財産の評価方法を見直したり、差し引ける金額がないかを探したりするのが非常に効果的です。遺留分の支払額を最小限にする再計算のコツとして、以下の5つを解説します。

  • 相続財産の評価額が適正か複数の基準で確認する
  • 相手方が受けた特別受益を調査し支払い額から控除できるか確認する
  • 未払医療費などの相続債務を差し引いて再計算する
  • 法定の計算式に基づき相手の請求額に誤りがないか確認する
  • 自分の寄与分を交渉材料として減額の余地を探る

相手から届いた請求書に書かれた金額は、必ずしも正しいとは限りません。請求額をそのまま受け入れる前に、具体的な再計算の方法を見ていきましょう。

3-1.相続財産の評価額が適正か複数の基準で確認する

相続財産の評価額が適正か確認すべき基準は、以下のとおりです。

  • 不動産は固定資産税評価額など有利な基準と比較する
  • 非上場株式の評価額が過大になっていないか確認する

ひとつずつ解説します。

3-1-1.不動産は固定資産税評価額など有利な基準と比較する

不動産評価において、公示価格や実勢価格よりも低くなりやすい固定資産税評価額などの基準を用いることで、支払額を抑制できる場合があります。地方の土地や古家などは、相手が期待する売却予想価格と法的な評価額に乖離が生じやすいためです。

交渉の場で「固定資産税の基準ではこの金額が妥当だ」と主張することで、支払額を下げる材料にできます。自分に最も有利な評価基準は何かを、専門家の知見も得ながら探ることが重要です。

関連記事:遺産が不動産しかない場合遺留分の計算や請求方法はどうなる?

3-1-2.非上場株式の評価額が過大になっていないか確認する

相続財産に非上場株式が含まれる場合、評価方法を再検討することで、請求額を大きく下げられるケースがあります。非上場株には市場価格がなく、採用する計算手法によって価値が極端に変わるためです。

相手が会社全体の純資産をベースに高く見積もっているなら、配当実績に基づいた低い評価(配当還元方式)を主張できるかもしれません。複雑な計算が必要な項目だからこそ、根拠となる数字を詳細に再確認する価値があります。

3-2.相手方が受けた特別受益を調査し支払い額から控除できるか確認する

請求者が過去に受けた「特別受益」を特定できれば、それを遺留分計算に算入し、最終的な支払額から差し引くことができます。特別受益とは、結婚資金や住宅購入援助など、生前に受けていた特別な利益です。

これらを「遺産の前渡し」とみなして計算に加えることで、相手の実質的な取り分を減らすことが可能です。相手が過去にどれだけの支援を受けていたかを洗い出すことは、公平な清算のために極めて有効です。

3-3.未払医療費などの相続債務を差し引いて再計算する

遺留分計算の基礎となる財産からは、被相続人が遺した債務(借金など)を差し引けるため、漏れがないか確認しましょう。未払いの医療費や入院費、公租公課などは、財産の総額からマイナスできる「相続債務」となります。

もしこれらの支払いを自分が立替えていた場合、その分だけ相手に渡すべき金額は少なくなります。負の遺産もしっかりと計上し、プラスの財産だけで計算されないよう注意深くチェックしてください。

3-4.法定の計算式に基づき相手の請求額に誤りがないか確認する

遺留分の計算は複雑なため、算定プロセスに計算ミスがないか見直しましょう。法定相続分の割合や遺留分割合の適用で、単純な掛け合わせの誤りが起きやすいためです。遺留分割合は、直系尊属のみが相続人の場合は法定相続分の3分の1、それ以外の場合は2分の1です。

代襲相続人が複数いる場合は、一人当たりの端数処理で差が出ることもあります。計算の整合性を確認し、根拠のない「切り上げ」がおこなわれていないかをチェックすることが、最低限の対策となります。

関連記事:代襲相続人に遺留分が認められるケースとは?遺留分割合や請求の流れも解説

3-5.自分の寄与分を交渉材料として減額の余地を探る

法律上、遺留分計算から自分の「寄与分」を直接差し引くことはできませんが、示談交渉の場では有力な譲歩材料になります。寄与分とは、介護や家業の手伝いなどで財産の維持・形成に貢献した度合いのことです。

裁判では認められにくい「寄与」であっても、親族間の話し合いでは「これだけ親に尽くしたのだから請求を引いてほしい」という主張が受け入れられる場合もあります。自分の貢献を正当に主張し、相手の感情に訴えかけることも円満解決へのコツです。

4.支払い資金が足りない・一括で払えない場合の対処法

支払い資金が足りない・一括で払えない場合の対処法は、以下の5つです。

  • 裁判所に支払期限の猶予を求める「期限の許与」を利用する
  • 相手方と分割払いの合意を目指して直接交渉する
  • 葬儀費用の立替金などほかの債権と相殺する
  • 免責的債務引受けにより負担を軽減できるか検討する
  • 住居を守る観点も踏まえ不動産売却の必要性を判断する

資金不足でも、直ちに不利になるわけではないため、取り得る選択肢を確認して最適な方法を検討していきましょう。

4-1.裁判所に支払期限の猶予を求める「期限の許与」を利用する

まとまった現金をすぐに用意できない場合は、裁判所に対して支払期限を延ばしてもらう「期限の許与」を申し立てることができます。2019年の改正により、金銭支払いが困難な場合には相当期間の猶予が認められるようになりました。

たとえば、自宅売却に期間を要する場合、数ヶ月から1年程度の猶予が認められる可能性があります。裁判所に必要性を認めてもらうことで、差し押さえのリスクを回避し、時間を稼ぐことが可能です。

4-2.相手方と分割払いの合意を目指して直接交渉する

裁判所を通さずとも、相手方と誠実に話し合うことで、無理のない分割払いの合意を取り付けるのが現実的な解決策です。相手にとっても、無理な一括請求をして破産されたり長期裁判になったりするより、着実に回収できる分割案の方がメリットがあるためです。

「月々〇万円を〇年かけて支払う」といった公正証書を作成することで、互いに納得のいく着地点を見出せます。まずは現在の資力を正直に開示し、無理のない支払い計画を提示しましょう。

4-3.葬儀費用の立替金などほかの債権と相殺する

自分が立て替えた費用がある場合は、それらを請求額から差し引く「相殺」手続きにより、実際の支出を最小限に抑えられます。遺留分の計算とは別に、負担した葬儀費用や親の代わりに支払った固定資産税などは、相手も負担すべき負債だからです。

たとえば、200万円の請求に対し100万円の立替金があれば、支払いは100万円で済みます。領収書や振込控えを整理し、相殺できる名目が他にないか徹底的に探し出しましょう。

4-4.免責的債務引受けにより負担を軽減できるか検討する

相続財産の中に未払いの借金などがある場合、相手にその債務を引き受けてもらう(免責的債務引受け)ことで、実質的な支払い額を調整できます。相手が遺留分を受け取る代わりに、負債の一部も肩代わりするというテクニカルな合意手法です。

1000万円の現金を渡す代わりに、親のローン500万円を相手の責任で返済してもらえば、手元の現金支出を半分に抑えられます。複雑な遺産構成の場合には有効な解決策となります。

4-5.住居を守る観点も踏まえ不動産売却の必要性を判断する

どうしても現金が用意できない場合、最終手段として不動産売却を検討しますが、その際も「居住権」を守るための優先順位を整理してください。先祖代々の土地を手放すのは苦渋の決断ですが、無理な借金を重ねるより、早期売却して清算したほうが傷が浅くなることもあります。

敷地の一部だけを分筆して売却したり、リースバックを活用して住み続けたりする方法も検討の余地があります。資産価値と生活維持を天秤にかけ、合理的な判断を下しましょう。

5.内容証明から調停・訴訟までの解決の流れ

内容証明から調停・訴訟までの解決の流れは、以下のとおりです。

  • 裁判所を通さず示談交渉で解決を目指す
  • 遺留分侵害額請求調停で第三者を介して協議する
  • 調停が不成立の場合は遺留分侵害額請求訴訟に移行する

順に見ていきましょう。

5-1.裁判所を通さず示談交渉で解決を目指す

まずは裁判外の話し合い(示談)で解決を試みることが、時間とコストを最も節約できる選択です。お互いの妥協点を探り合意書を交わせば、最短数週間での解決も可能です。

当事者同士では感情的になりやすいですが、書面を通じて論理的に提案をおこなうことで、冷静な対話を促せます。相手の主張を聞きつつ、こちらからの再計算案を提案することからスタートしましょう。

5-2.遺留分侵害額請求調停で第三者を介して協議する

遺留分侵害額請求調停は、家庭裁判所の調停委員を間に挟んで話し合いをおこなう手続きです。当事者だけで話し合うと感情的になりがちですが、専門知識を持つ第三者が介入することで、冷静な議論が可能になります。

遺留分侵害額請求調停はあくまで話し合いの場ですので、一方が強制的に従わされることはありません。また、調停委員が双方の主張を聞き、公平な解決案を提示してくれるのが特徴です。

双方の主張を客観的に見直す良い機会となり、納得感のある合意につながる可能性が高まります。

5-3.調停が不成立の場合は遺留分侵害額請求訴訟に移行する

調停でも決着がつかない場合、最終的には裁判所が判決を下す「遺留分侵害額請求訴訟」へと発展します。訴訟では、双方が出した証拠に基づいて裁判官が財産額や遺留分を決定するため、勝敗が明確に分かれます。

この段階では、不動産の鑑定評価や特別受益の立証など、高度な法的立証が求められるため、プロのサポートが欠かせません。判決が出れば強制執行も可能になるため、有利な証拠をどれだけ揃えられるかが勝負となります。

6.遺留分のトラブルを相談するなら弁護士がおすすめな理由

遺留分のトラブルを相談するなら弁護士がおすすめな理由は、以下の5つです。

  • 不当な請求を退け支払額の最小化を図れる
  • 複雑な財産調査により隠れた特別受益を明らかにできる
  • 弁護士費用と減額による経済的メリットを比較できる
  • 相手方との接触を断ち日常生活の平穏を取り戻せる
  • 内容証明直後の初動相談で不利な合意を防げる

それぞれ紹介します。

6-1.不当な請求を退け支払額の最小化を図れる

弁護士に依頼するメリットは、法的な根拠に基づいた反論により、相手の過大な請求を退けられる点です。時効の指摘や計算ミス、不適切な財産評価など、専門家ならではの視点で減額要素を一つずつ積み上げてくれます。

相手も「プロが出てきた以上、無理な主張は通らない」と悟り、現実的な数字で妥協してくる可能性が高まります。言いなりになって払いすぎてしまうリスクを最小限に抑えられます。

6-2.複雑な財産調査により隠れた特別受益を明らかにできる

弁護士は、弁護士法第23条の2に基づく「弁護士会照会」制度を利用できます。これにより、個人の調査では特定が難しい相手方の銀行口座の入出金履歴などを確認できる可能性があります。銀行側が回答を拒むケースもありますが、資産の移動先を特定するための強力な手段となるのは間違いありません。

相手が隠していた生前贈与を暴き「特別受益」として計算に加えることができれば、支払額が数百万単位で変わることも珍しくありません。客観的な証拠を突きつけることで、交渉の主導権を握ることができます。

6-3.弁護士費用と減額による経済的メリットを比較できる

弁護士へ依頼することで減額できる金額が、支払う費用を大きく上回るケースは非常に多いです。

確かに専門家への依頼にはまとまった費用が必要となるため、手元に残るお金が減るのではないかと不安に感じるかもしれません。しかし弁護士は、法律の知識をフル活用して不当に高い財産評価を正当な数値へと修正したり、相手方の隠れた特別受益を厳しく指摘したりしてくれます。

「費用が高い」と躊躇する前に、まずは期待できる「減額幅」と費用のバランスを専門家にシミュレーションしてもらうのがよいでしょう。たとえば、50万円の弁護士費用を支払って請求額を300万円減額できれば、実質的に手元には250万円のプラスが残ることになります。

このように弁護士への依頼は、単なる出費ではなく、経済的なメリットを最大化するための合理的な投資であると考えるのが賢明です。

6-4.相手方との接触を断ち日常生活の平穏を取り戻せる

弁護士を代理人に立てれば、相手方からの電話やメールへの対応をすべて任せられ、精神的な負担が激減します。遺族間トラブルは感情がもつれやすく、直接話すだけで強いストレスを感じるものですが、その一切をシャットアウトできます。

日常生活を壊すことなく、プロに任せて普段通りの生活を送りながら、最適な解決を待つことが可能です。心の健康を守るという点でも、弁護士の存在は大きいと言えます。

6-5.内容証明直後の初動相談で不利な合意を防げる

相手から通知が届いた直後に相談することで、不用意に「払います」と言ってしまうような取り返しのつかないミスを未然に防げます。一度自分の非を認めたり一部を支払ったりしてしまうと、後から時効や計算ミスを理由に覆すことが非常に難しくなるためです。

最初の一歩を正しく踏み出すことが、その後の展開を有利にするためにも重要です。内容証明が届いたら、まずは相談予約を入れるスピード感が、あなたを守ることになります。

7.まとめ

遺留分侵害額請求は深刻な問題ですが、正しい知識を持って対処すれば恐れることはありません。まずは相手の権利や時効、財産評価が正しいかを徹底的に確認し、法的に認められた控除項目を漏れなく積み上げることが解決への近道です。

一括払いが難しくても、法的な救済策や分割交渉など、取れる選択肢は数多く残されています。一人で悩んで不利な条件で合意してしまう前に、まずは弁護士の無料相談を活用し、正確な権利の有無や請求額を確認することをおすすめします。専門家の力を借りることで、大切な親族関係を守りながら、法的に正当な権利を確保しましょう。

弁護士法人池袋吉田総合法律事務所では、遺産相続や遺留分をはじめとした相続に関する無料相談を受け付けています。相続に関する問題でお困りの方は、ぜひ当事務所までご相談ください。

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